はじめに
「プロンプトを書くだけで UI やアプリを一気に組み上げたい」── そんな開発者の願いに応えるのが v0.dev(Vercel)と Bolt.new(StackBlitz)。どちらも生成 AI を活用してコードや画面を即座に生成できますが、対象ユーザーや料金体系、デプロイ方法などに細かな違いがあります。本記事では両ツールの特徴を比較し、ユースケース別の選び方をまとめます。
v0.dev とは
- ジェネレーティブ UI
テキストで画面を指示すると、React+Tailwind CSS+shadcn/ui ベースのコードを生成。好きなバージョンを選び、IDE にコピペしてそのまま拡張できます。 - 豊富な対応フレームワーク
Next.js・SvelteKit・Astro・Nuxt など主要 8 + α フレームワークに最適化。既存プロジェクトへの部品追加にも使えます。 - Vercel 連携とワンクリックデプロイ
生成したコードは即 Vercel にデプロイ可能。Vercel のプレビュー URL を活かし、デザインレビューもスムーズ。 - クレジット制の料金
無料(200 credits/月)から始められ、Basic $10、Standard $30、Premium $50 と段階的に拡張。1 生成 = 10 credits(初回のみ 30 credits)。
Bolt.new とは
- フルスタック生成
プロンプト一発でフロントだけでなく API・認証・DB 設定まで“土台”を自動生成。開発環境もブラウザ内に統合され、Run ボタンで即テストできます。 - Claude ベースの長文推論
Anthropic Claude を採用し、長い仕様書レベルの入力にも耐える 200 k トークン文脈が魅力。 - Netlify 連携で即時公開
「Deploy」ボタンを押すだけで Netlify にホスティング。パイプライン構築不要で URL が発行されます。 - トークン課金モデル
毎日無料トークンが付与され、超過すると 4 つの有料プランに移行。目安は Pro $20(10 M tokens)、Pro 50 $50(26 M)、Pro 100 $100(55 M)、Pro 200 $200(120 M)。
共通点と相違点まとめ
比較項目 | v0.dev | Bolt.new |
---|---|---|
想定範囲 | UI〜軽量アプリ | UI+API+Deploy までフル |
生成エンジン | OpenAI 系+独自チューニング | Anthropic Claude |
コードベース | React/Tailwind/shadcn/ui | フレームワーク選択式(Next.js, Astro ほか) |
対応フレームワーク | 8 + α(Next.js 等) | 実行時に自由指定 |
デプロイ先 | Vercel(一体型) | Netlify(ワンクリック) |
無料枠 | 200 credits/月 | 毎日フリートークン |
有料課金 | $10/$30/$50(月) | $20〜$200(月)トークン課金 |
最適ユーザー | フロントエンド寄り開発者、デザイナー | フルスタック試作、PoC、ハッカソン |
ユースケース別のおすすめ
- Landing Page を高速に量産したい
→ v0.dev:React 断片をコピペ→既存コードに統合しやすい。 - 仕様書から MVP を一晩で立ち上げたい
→ Bolt.new:API 層まで自動生成し、そのまま Netlify へ公開。 - 社内デザイナーと共同で細部を弄りたい
→ v0.dev:生成物を Git で管理しつつ、Vercel のプレビューでレビューサイクルを短縮。 - LLM の長文コンテキストを活かして複雑ロジックも書き出したい
→ Bolt.new:200 k トークン対応の Claude が有利。
まとめ
- UI フォーカスなら v0.dev ── 生成したコンポーネントを既存プロジェクトに流し込みやすく、Vercel ワークフローと相性抜群。
- フルスタックの試作なら Bolt.new ── Claude の広い文脈+トークン課金で大規模プロンプトにも強く、Netlify へ即デプロイできる。
- 無料枠で両方試し、自社のデプロイ基盤・予算・求めるスピード感に合った方を選ぶのが最速の近道です。
生成 AI ツールは日々アップデートされます。料金や制限は変わる可能性があるため、導入前に必ず公式の最新情報を確認してください。
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